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Vol.2 中屋敷左官工業
なかやしきさかんこうぎょう

Vol.2 中屋敷左官工業

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【社長/中屋敷 剛】昭和42年生まれ、札幌市出身。平成7年、先代の急逝により、勤めていたゼネコンを退社し、昭和16年創業の中屋敷左官工業を引き継ぎ社長に就任。以来、左官技術の伝承とともに、常に新しいことにも挑戦し、左官の可能性を広げている。

最近、日本の伝統文化である左官技術が各方面から注目されています。環境や健康志向の高まりから自然素材である漆喰や珪藻土を内装壁に使用するこだわり派のユーザーも増加。また、建築家の間でも、左官仕上げの奥深い世界に現代風のアレンジを加え、新たな意匠としてとりいれる動きもあります。今回は、常に新しい左官の可能性にチャレンジしている企業「中屋敷左官工業」の中屋敷剛社長にお話をうかがいました。

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00b8.jpgー左官業と一言で言っても仕事の範囲はかなり幅広いですね。

中屋敷 そもそも昔は建物を造るのは、宮大工と左官だけだったんです。それが建設業という大きな仕事の流れになり、タイル屋、石屋、ペンキ屋と、それぞれの専門でも成り立つようになって分業化されていった経緯があるんです。だからもとから左官業とは多能工の性格を持つ業種だったんですね。

ーそんな中、今、コンクリート外壁のリフレッシュ工法のニーズが高いとお聞きしましたが。

中屋敷 そうですね。コンクリートの打ち放しは10年もすると、壁表面に雨染みが付いたり、クラックが入ったりしてきます。雨染みなどは放っておくと表面の風化をどんどん進めていきコンクリート表面を傷めていきます。特に近年、雨が酸性化傾向にあり、アルカリ性であるコンクリート表面の劣化は加速しています。そこで、その劣化現象を止め、新築同様に壁を甦らせる「リフレッシュ工法」というものを、今、一般のお客様にお勧めしています。

ー具体的にはどのような作業になるんですか?

中屋敷 傷み具合によっても様々ですが、一般的工法としては、クラック(ひび割れ)にエポキシ樹脂を注入しその隙間を埋めた後、その痕跡をわからないように色合わせ補修をして、最後に耐候性にすぐれた透明なコーティング剤を施します。すると新築時のような雨水をもはじく新築時同様の打ち放し壁を手に入れることができます。建物の資産価値を復活させるということがテーマですね。当社の技術が他社ともっとも違う点は、コーティング剤を施した後の仕上がりが、コンクリートの本来の素材感を生かしたまま仕上げられるというところなんです。

ー施工写真を拝見すると、本当に新築時そのものですね。

中屋敷 お客様も「こんなに変わるものなのか」と一様に驚かれますね。

ーコンクリート打ち放しの色合わせ補修も高い技術力をお持ちとか。

中屋敷 こちらは一般のお客様というより、施工業者さんからの依頼を受けてということが多いですね。コンクリートは打設後に型枠を脱型してみないと仕上がり具合がわかりませんし補修の必要度合いも様々です。また補修するにしても、現場ごとにコンクリートの色が微妙に違うため、色合わせには高い技術力が必要とされます。市販の補修材もありますが、これは当社の職人技の見せ所ですね。

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0006.jpgー職人技といえば、最近、従来の土壁技術も見直されているような気運を感じるのですが。

中屋敷 実は環境問題への関心や健康指向の高まりから、伝統的な素材である「漆喰」が注目され始めているんです。業界としても今まさにその点を世の中に訴えかけていこうと動き始めています。

ー「漆喰」の優れている点とは?

中屋敷 「漆喰」は強アルカリなので、防カビ、抗菌の作用があり、また、ホルムアルデヒドなどの空気中の有害物質を吸着する性能があります。しかも、自然界にある天然素材なので、アレルギー性もなく、シックハウ対策にはとても有効ですね。
また、漆喰は、生成されるときに放出された二酸化炭素を、水で練り塗りつけた後、その放出された量と同じだけの二酸化炭素を吸収して硬化していく、いってみれば、二酸化炭素を吸いながら固くなっていくんです。だからこそこれからの時代にぴったりの超エコ素材なんです。

ーいいことばかりですね。

中屋敷 ただ、お客様は「良いのはわかるけれど高いでしょ?」という認識がどうしてもありますね。だから今、左官業界全体が一体となって「漆喰」の持つ素材性能をきちんと謳ってユーザーにわかってもらい、まずスタンダードな素材としてのニーズを創造する必要があると思っているんです。

000MG_9747.jpgーもっと一般のユーザーにとって身近なものするという事ですか。

中屋敷 大切なのは目的だと思うんです。「漆喰」という素材に関して言うと、左官屋が塗るから素晴らしいんじゃなくて、学校や病院に漆喰を塗ることが一般的になったらどんなに素敵な社会になるだろう。子供の未来のためにどんなプラスをもたらせるだろうという目的をイメージして、「漆喰」を体感する機会を増やすことが大切だと思いますね。公共施設に取り入れられ、それが社会に広がり、住宅環境にもスタンダードなものとなって日本の室内環境が大幅に改善される。その素地ができてしまえば、業界としても個の利ではなく、大きな利を獲得することに繋がるはずです。

ーますます左官の世界は奥が深いと感じました。

中屋敷 ただ、常々私は左官の世界がマニアックなものではいけないと思っています。一部のマニアックな人の欲求を満たすだけでは、ニーズがどんどん小さくなってしまいますから。もっと大衆に身近なものとして存在する必要がありますね。そのためにも「常に新しいことに挑戦し、左官の可能性を広げる」という当社の理念をこれからも実行していきたいと考えています。





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中屋敷左官工業株式会社

中屋敷左官工業株式会社

〒064-0805
札幌市中央区南5条西26丁目1-27
TEL.011-561-6019 FAX.011-561-4639

http://nakayasiki.co.jp

取材 memo

2008年の洞爺湖サミット。ザ・ウインザーホテル洞爺で会食会場として使用された「嵐山 吉兆」の聚楽壁約1,000㎡を施工したのが中屋敷左官工業さんでした。工期に余裕が無い中でも極めて完成度の高い仕上がりに、元請けから最上級の賛辞をおくられたといいます。お話を伺うと、その裏には妥協を許さない中屋敷社長と職人さんたちの熱いドラマが数々あったとか・・・。「左官の新たな可能性をめざす」という中屋敷左官工業さんにはこれからも注目です。

構成/ 文:堀田正紀  写真:古田智紀

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